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放射性物質に汚染された状況下にある住民の身体より放射性物質を減少させるには三つの方法が存在する:一つは食べ物に集積された放射性物質量を減少させること、二つ目は人々の身体から放射性物質の除去をさらに効率よくすること、三つ目は人間の免疫力を刺激して更に自然治癒能力を高める方法である。
13.1. 食べ物に集積された放射性物質量の減量について
水、キノコと野菜などの食物を水に浸す、茹でる、塩漬け、および酸漬けにすることやミルクとチーズの中の脂肪を処理することで食物の中で放射性核種の量を数倍減らすことが可能である。我々の放射線に対する抵抗力を高めることのできる食品等を食べることによって身体の持っている自然治癒能力を刺激することは非常に有効である。このような食品類の中にはフリーラジカルを消去できるビタミンA、C、それに微量ミネラルのI、Cu、Zn、Se、Co等の抗酸化作用物質が含まれている。このような食品は放射線によって生じる過酸化脂質などの組織の酸化を予防してくれる。種々の食品やサプリメントは免疫系を刺激する、例えば小麦、海草(スピルリナ)、松葉、菌糸およびその他の植物の芽などである。
放射性核種の排出を促すために次の三つの方法が実行されてきた(Rudnev et al.,1995;Trakhtenberg,1995; Leggett
et al., 2003)。
- 放射性核種の排出を促進するために食べ物の安定的な要素を増やす。例えばCsの排泄を促すにはK、 Rbなど;Srの排泄のためにはCa;Puの取り込みを抑えるには三価のFeなどである
- 放射性核種を吸着できる食品類の開発
- 放射性核種を洗い流すことのできる液体で排出増加を計る;食物繊維の豊富な食品と同様の働きをするように工夫した点滴液、ジュース類や他の液体類などである
放射性汚染からの開放とは大便や尿を介して放射性核種の除去を操作する準備作業でもある。極度の放射能汚染に対する治療のためには特殊な幾つかの効果的な除去の仕方がある(例えばCsの除去にはFe結合物質、またSrのためなどにはアルギネート類や硫酸バリウムなど;Puのためにはイオン交換合成樹脂など)。これらの方法は突然やってくる放射能汚染などに曝された場合に効果的である。しかし、極度の放射能汚染に曝されたBelarussian,
Ukrainian,あるいはEuropean Russian地区によっては異なる可能性もある。
Cs-137の場合には放射能の汚染が小量であっても毎日の被爆を避けることが事実上無理となる。Cs-137は体内には94%が食べ物からであり、5%が飲み物から、約1%が呼吸による空気から取り込まれる。体内に蓄積される放射性核種は危険性を伴い、特に子供にとっては危険である。また、Cs-137の高いレベルで汚染されている地域産出の食品類を摂取する人々にとっては危険極まりないことになる。
放射性核種の体内取り込みは放射性に汚染された地域における公衆衛生上まことに基本的な問題ともなっている。そして、全ての可能性を有する放射性核種除去の試みが放射能被爆を軽減するために実施されるべきである。
子供の体内のCs-137の50Bq/kg蓄積が生命に関係する重要臓器に病的変化をもたらすことが明らかとなっている。例えばそれは心血管系、神経系、内分泌系、免疫系などであり、腎臓、肝臓、眼なども同様である(Bandazhevskaya
et al.,2004)。
このような障害をもたらす放射能被爆レベルはChernobylで汚染された地域であるBelarussian, Ukrainian,あるいはEuropean
Russian地区では今尚そのレベルにある。このような地域に住んでいる人々に放射性核種の体内量のレベルの軽減のためにいかなる可能性を有する方法でもなぜ必要なのかという理由がここにある。子供達が成人と同じメニューで治療された時、地域産出の食品類から汚染される放射性核種が成人より5倍以上排出可能である。それは、子供達が低体重であり体内代謝が活発だからに他ならない。田舎に住んでいる子供達は同年代の都会に住む子供達より5倍から6倍の放射性核種に汚染されている。
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